こちらでは、国の基準とは別に福島が定めたZEH基準「F-ZEH」について解説しています。独自の基準を推進している理由やメリット・デメリット、そして利用可能な補助金制度なども併せてみていきましょう。
福島では、国が定める基準とは異なるF-ZEH(ふくしまZEH)という基準を設けています。この基準は、次のような独自の必須条件を4つ盛り込んでいます。
3つ目は、福島ならではの特色ある基準だといえます。また、4つ目も、冬の寒さが厳しい地域の事情に即した内容です。福島の自然や資源を活かしつつ、環境にやさしい省エネを目指すことができます。
参照元:福島県公式HP【PDF】
(https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/623994.pdf)
一般的なZEH基準よりも、F-ZEHのほうが断熱性能(UA値)に関する基準が厳しく設定されています。ZEHのUA値が0.4〜0.6以下であるのに対し、F-ZEHが求めるUA値は0.46〜0.28以下です。なお、定められているUA値は地域ごとに異なります。たとえば、檜枝岐村や南会津の一部地域、南会津町、猪苗代町などは0.28以下ですが、会津若松市などは0.34以下、そして福島市や郡山市などは0.46以下です。
基準を満たすための難易度は一般的なZEHよりも高いですが、住まいに優れた断熱性能を持たせることで室内の熱が逃げにくくなるため、より高い省エネ効果がもたらされます。
参照元:福島県公式HP【PDF】
(https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/623994.pdf)
福島県がF-ZEHを採用しているのは、自然環境にやさしい住まいづくりを推し進めるためです。県産材を使うことで森林の循環が促されます。スムーズな循環により山々の状態が適切に維持され、結果として自然環境を保護し、県民の暮らしを守ることにつながるのです。
なお、二酸化炭素を吸収する木々は、伐採された後も炭素を蓄え温暖化防止に貢献します。そのため、二酸化炭素の排出削減が可能になるのです。F-ZEHの住宅は、環境への配慮という社会的なニーズに応える住宅であるといえます。
断熱性能や創エネにより室温を維持しやすくなるため、光熱費を抑えられます。エアコンなどの使用量を抑えることができ、月々の光熱費が安くなるなど、家計にやさしい経済的な住まいになります。しかも、太陽光パネルで発電した電気を売り、収入を得ることも可能です。このように、一年を通じて比較的少ない光熱費で家の中を快適な状態にしておけるようになることは、F-ZEHの大きなメリットだといえるでしょう。
また、寒さの厳しい冬場、住まい全体を効率よく暖められることも、重要なポイントです。部屋ごとの温度差が縮まり、急激な温度変化により発生可能性が高まるヒートショックの防止につながるためです。さらに、太陽光発電や蓄電池で電気を使えるので、災害発生時や停電時の安心感も違います。
デメリットとして挙げられるのは、初期費用が高くなること、そして太陽光発電システムを導入しても発電量が天候に左右されることです。特に、発電量の不安定さについては注意が必要です。
会津地方などの豪雪地帯では、冬は日照時間が短いことに加え、太陽の光が弱く、さらに太陽光パネルが雪で覆われます。その結果、当然発電効率が低下し、自家発電のみでは充分な電力を得られない事態に陥ることも。夏のように日照時間が長い季節には安定的な発電が可能ですが、冬場は、積雪量が多い地域では太陽光発電システムの導入によるメリットを充分に得られない可能性が高いです。
F-ZEHの基準を満たすと135万円の補助金を受けられます。また、F-ZEHよりもさらにエネルギー効率を高めるための基準を設けた「F-ZEH+」を満たした場合、補助金額は180万円になります。ただ、補助金制度は募集戸数が限られているため、利用を検討している方は最新の公式情報を確認してください。専門家への相談もおすすめします。
参照元:ふくしま建築住宅センター|ふくしま ZEH(F-ZEH) 推進事業補助金令和7年度募集のご案内(募集を延長します)[※2026年6月時点の情報です](https://fkc.or.jp/fzeh/index.php)
ZEH支援事業やみらエコ住宅2026事業、そしてF-ZEH/F-ZEH+における県産材・バイオマスストーブと補助対象が重複する制度などを、F-ZEHの補助金制度と併用することができない点に注意が必要です。国費財源の県や市町村の補助金制度も同様です。ルールを正確に把握してからF-ZEH補助金の利用を検討できるよう、専門家にあらかじめ相談しておきましょう。
福島県の自然環境をふまえた快適な家づくりを可能にするF-ZEH。得られるメリットも多いです。ただ、豪雪地帯においては、導入した設備を充分に活用できない可能性が高いため、注意が必要です。また、補助金が用意されていますが、併用できない他の補助金や予算の上限があること、そして申請期限なども把握した上で利用を検討しなくてはなりません。
判断や理解が難しい部分もあるので、家づくりや補助金利用の際には、福島の気候に詳しい専門家に一度相談してみるとよいでしょう。
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