「高気密」を謳っているハウスメーカーや工務店などが多くなっています。気密性は快適な住宅環境を作る上で、必要不可欠な要素です。ここでは気密性が必要な理由やメリット・デメリットを紹介していきます。
気密性が良くない住宅であれば、どんなに断熱性能が優れていたとしても外気の影響を受けやすくなります。さらに断熱材をしっかり入れていても、冷暖房の効きがよくないため冷暖房を必要以上に使用しなければなりません。また24時間換気システムが上手く機能できずに有害物質が外部に排出できないことも。つまり気密性は、断熱性能や換気システムの機能をアップする上で必要不可欠と言えます。気密性を高くすれば、冷暖房の効率がアップし、光熱費の削減にも繋がるでしょう。
気密性を表す数値としてC値が用いられており、C値が小さければ隙間が狭く、気密性が高いことを表しています。日本では平成14年まで5.0㎠/㎡、寒冷地では2.0㎠/㎡という基準が設けられていましたが、平成21年に手間がかかるなどの理由で基準は撤廃する運びになったそうです。
気密性が高ければ、外気からの影響を受けにくいだけでなく、夏は涼しく、冬は暖かな温度に保つことができます。居心地のいい温度に保たれやすくなるでしょう。
気密性が悪いと部屋の温度を快適に保つために、冷暖房を必要以上に使用しなければなりません。そうすれば余計な光熱費を支払う必要があるでしょう。しかし気密性が良ければ、冷暖房の効率も良くなるため大幅に光熱費を抑えることができます。
ヒートショックは急激な温度変化による血圧の変動が起こることで、引き起こされると言われています。高気密な住宅であれば部屋の温度が一定に保たれやすいため、部屋ごとの温度差がほとんどありません。そのためヒートショックを招くリスクを低下させることができるでしょう。
気密が良いということは、音の漏れも防ぐということ。たとえば線路沿いや学校近くの住宅であっても、外の音が聞こえにくい環境になります。また家の中の音も外部に漏れにくいので、隣接する住宅を気にすることなく家で過ごすことができるでしょう。
断熱材のほとんどは線状で作られているので、隙間があれば風が吹き込んでしまいます。つまり断熱とはセーターのような役割で、気密はウインドブレーカーの役割のような働きがあると言えるでしょう。つまり両方が揃っているからこそ、冬の寒さを凌ぐことができるのです。断熱性能を引き出すためには、高気密な環境も欠かせません。
家の中は湿気があるため、外壁などに隙間があれば壁の中で結露する可能性もあるでしょう。その結果、柱を腐食させ、カビを繁殖させてしまいます。壁や床下の結露を防ぐためには、隙間のない気密性の高い空間が必要なのです。
どんな住宅であっても、生活をしていれば二酸化炭素や水蒸気、ニオイなど様々な汚染物質が発生します。そのまま放置していれば、ニオイの原因になってしまうでしょう。汚染物質を屋外に排出するために24時間換気システムを効率よく動かすことが大切です。気密性が高ければ、24時間換気システムもしっかり働かせることができるでしょう。
高気密な住宅にするためには、窓などに注意が必要です。どうしても普通の窓を多く設けてしまえば、そこから外気が入ってしまうため、気密性が損なわれてしまいます。そのため窓を小さくするなど、開放感がないと感じてしまうケースも。しかし断熱性の高い窓もあるため、そういった窓を設けておけば気密性を失われずに開放的な空間を作ることができるでしょう。
気密性を高めるためには、素材や設備などにこだわる必要があります。そのため一般的な住宅よりも設備などの投資額が増えてしまうため、割高になってしまうことも。ただ初期費用は増えるものの、光熱費などのランニングコストを削減することができるでしょう。トータル的には初期費用を賄える可能性もあります。
高気密住宅は比較的外気の影響を受けにくいというメリットがあります。一方で、一度室内に熱が入り込んでしまうと、なかなか熱が抜け出せないという面も。室内に熱が入らないように、すだれやカーテンなどで日差しを入り込ませない工夫が大切です。
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